ナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡が描く、かつてない銀河系の全貌!

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ナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡が描く、かつてない銀河系の全貌!

NASAは、**ナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡(Roman Space Telescope)**によって実施される大規模観測計画「銀河面サーベイ(Galactic Plane Survey)」の詳細を公開しました。この計画は、私たちが暮らす天の川銀河を、これまでにない精密さで明らかにするものです。

わずか2年間に分散した合計29日間の観測で、数百億個規模の恒星を捉え、これまで観測が難しかった銀河内部の構造や進化を調べます。


カリーナ星雲から始まる壮大な観測

公開された映像は、南天に位置する巨大な星形成領域「カリーナ星雲」から始まります。カリーナ星雲は地球から比較的近く、活発に星が生まれている場所です。

ローマン望遠鏡は、この星雲全体だけでなく、そこを含む長さ約1万光年に及ぶ渦巻腕の一部までを広く捉えます。この観測により、

  • 星がどのように誕生し
  • 周囲と干渉し
  • 環境をどのように変えていくのか

を、これまでにない視野と解像度で追跡できます。これは、銀河面サーベイで期待されている数千の科学的成果のうちの、ほんの一例にすぎません。


銀河面サーベイとは何か

銀河面サーベイは、ローマン宇宙望遠鏡による初の採択済み一般天文学サーベイです。これは、3つの主要コアサーベイやコロナグラフ技術実証とは別に行われます。

また、ローマンの**5年間の主運用期間のうち少なくとも25%**は、世界中の研究者が提案する追加観測プログラムに割り当てられます。これにより、望遠鏡の性能を最大限に活かした多様な研究が可能になります。

ローマンは2027年5月までの打ち上げが予定されていますが、チームは2026年秋の早期打ち上げも視野に入れて準備を進めています。


赤外線観測で見える「隠された銀河」

ヨーロッパ宇宙機関(ESA)のガイア衛星は、可視光観測によって約20億個の恒星を測定しました。しかし、銀河の多くの領域は**塵(ダスト)**に遮られ、可視光では観測が困難です。

ローマン宇宙望遠鏡は赤外線を用いることで、このダストの壁を越えて観測します。いわば「熱を見る目」によって、銀河の奥深くまで見通すことができます。

ラズ・クンブレス天文台のレイチェル・ストリート博士は、
「銀河で最も密度の高い領域を初めて本格的に観測できることに、強い衝撃を受けています」
と語っています。


観測範囲とスケール

銀河面サーベイがカバーするのは、約700平方度という広大な領域です。これは、満月約3,500個分の面積に相当します。

この観測によって、

  • 最大約200億個の恒星をマッピング
  • 恒星の位置のごくわずかな変化も高精度で測定

することが期待されています。しかも、これらは2年でわずか29日分の観測時間で実現されます。


星のゆりかごを探る

星は、ガスと塵からなる雲の中で誕生します。ローマンはその雲を透過して、

  • 星の“卵”とも言える形成途中の天体
  • 生まれたばかりで塵に包まれた恒星
  • 予測不能な明るさの変化を示す若い星
  • 惑星系が形成中かもしれない恒星

など、数百万規模の若い星を捉えます。

これにより、質量の違いによる誕生率や、時間とともに変化する星の姿を動画的に再構成することが可能になります。


星形成を左右する力

星形成は、次の4つの力のせめぎ合いだと考えられています。

  • 重力
  • 放射
  • 磁場
  • 乱流

ローマンの観測により、これらの力が

  • 恒星として成長するのか
  • 褐色矮星になるのか
  • あるいは惑星級の天体になるのか

を決めるプロセスが明らかになると期待されています。


星団が語る銀河の歴史

多くの星は、星団と呼ばれる集団で誕生します。ローマンは、

  • 約2,000個の若い散開星団
  • 銀河中心付近にある数十個の古い球状星団

を観測します。

これにより、渦巻腕が星形成を引き起こす仕組みや、銀河初期の歴史を復元する手がかりが得られます。同じ年齢・起源・化学組成を持つ星団の比較は、環境が星に与える影響を詳細に調べる上で重要です。


重力マイクロレンズで見えない天体を探す

恒星の一生の終わりには、

  • 白色矮星
  • 中性子星
  • ブラックホール

が残されます。ローマンは、重力マイクロレンズ現象を利用して、これら光を放たない天体をも発見します。

背景の星の光が前景天体の重力で曲げられることで、一時的に明るく見える現象から、その質量や性質を推定できます。


銀河中心のダイナミックな世界

別途行われる「銀河バルジ時間領域サーベイ」と組み合わせることで、銀河中心部の構造や、超接近連星、将来重力波源となる天体の前段階も詳しく調べられます。

これは、重力波を生み出す天体がどのような経路で誕生するのかを理解する上で重要です。


変光星と距離測定

ローマンは、

  • 突発的に増光する恒星
  • 規則正しく明るさが変化する脈動星

も長期間追跡します。特に脈動星は、固有の明るさと観測された明るさの差から距離を測定できるため、銀河スケールの距離測定精度向上に大きく貢献します。


史上最高の天の川銀河像へ

他の観測データと組み合わせることで、銀河面サーベイは「これまでで最も完成度の高い天の川銀河の肖像」を生み出すと期待されています。

人類が初めて、塵に覆われた銀河の内部を本当の意味で理解する日が、目前に迫っています。


参考リンク

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