NASAの火星探査車「パーサヴィアランス」が総走行距離45.22kmに到達し地球外の最長走行記録を更新

NASAの火星探査車「パーサヴィアランス」が総走行距離45.22kmに到達し地球外の最長走行記録を更新

火星の赤い大地を走り続ける探査車から届いた歴史的な記録更新のニュースをはじめ、国際宇宙ステーション(ISS)への最新補給船のドッキングや新型太陽電池パネル設置に向けた船外活動、そして数日後に迫った日本のH3ロケットによる火星衛星探査機「MMX」の打ち上げまで、各国の宇宙機関が発表した最新の事実を詳しくお伝えします。

目次

NASAの火星探査車「パーサヴィアランス」が総走行距離45.22キロメートルを達成し地球外の最長走行記録を更新

2021年に火星のジェゼロ・クレーターへ着陸して以来、生命の痕跡や惑星の成り立ちを調べ続けているNASAの火星探査車「Perseverance(パーサヴィアランス)」が、これまでの通算走行距離を45.22キロメートル(28.10マイル)まで伸ばし、地球以外の天体表面を走った探査車として史上最長の走行記録を樹立しました。

これまでの地球外における最長走行記録は、2004年から2018年まで約14年間にわたって火星を走り続けたNASAの探査車「オポチュニティ」が持つ45.16キロメートル(28.06マイル)でしたが、パーサヴィアランスは障害物をカメラとコンピュータで自ら判断して避けながら進む高度な自律走行システムを活用することで、その記録を着陸から約5年半という大幅に短い期間で塗り替えています。

さらにNASAは2026年10月から始まるパーサヴィアランスの最初のミッション延長を正式に承認しており、今後は2028年末頃までクレーターの縁(リム)に沿った探査を継続しながら、ジェゼロ・クレーターを形成した巨大衝突によって隆起した幅約100メートル(328フィート)の古い地殻ブロックである「レインボー・フォールズ」と呼ばれる領域へ向けて南下を続ける計画です。

参照元URL:https://www.jpl.nasa.gov/news/nasas-perseverance-sets-off-world-record-for-total-distance-driven/

SpaceXの補給船「カーゴドラゴン」が国際宇宙ステーションに到着し約2.8トンの物資と太陽電池を補給

Image: NASA

日本時間2026年10月16日午前0時(米国東部夏時間10月15日午前11時)、SpaceXの商用補給サービス第35回ミッション(CRS-35)として打ち上げられた無人補給船「カーゴドラゴン」が、国際宇宙ステーション(ISS)の「ハーモニー」モジュール宇宙側ポートへ自動ドッキングを完了しました。

今回の補給船は日本時間10月13日19時33分にフロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地からファルコン9ロケットで打ち上げられたもので、船内と非与圧トランクを合わせて小型トラック1台分の満載荷物に相当する合計約2,868キログラム(6,322ポンド)の食料や交換用機器、そして新しいロールアウト式太陽電池アレイ(iROSA)を第75次長期滞在クルーのもとへ届けています。

運び込まれた科学実験装置の中には、微小重力環境で薄い層を重ねて均一な人工網膜組織を作る「LambdaVision-1」や、宇宙飛行が人間の脳組織に与える影響を調べる小型の3次元脳モデル「AVATAR-Org1」、さらには微小重力下での植物の病気の進行を地球上のデータと比較して病気に強い作物の育成に役立てる「MVP-Plant-02」など、医療と農業の未来に直結する多様な研究キットが含まれています。

参照元URL:https://www.nasa.gov/blogs/spacestation/2026/10/15/spacex-dragon-docks-with-science-supplies-and-roll-out-solar-arrays/
参照元URL(打ち上げ詳細):https://www.spacex.com/launches/crs35
参照元URL(搭載実験詳細):https://science.nasa.gov/missions/station/nasas-spacex-crs-35-mission-to-launch-health-research/

NASAが国際宇宙ステーションの電力増強に向けた米国通算100回目と101回目の船外活動を予告

Image: NASA

カーゴドラゴンによって新しい太陽電池パネルが届けられたことを受け、NASAは国際宇宙ステーション(ISS)の太陽電池アレイ設置完了と電力増強を目的とした2回の船外活動(米国通算100回目および101回目)に関する事前記者会見を、日本時間2026年10月21日午前3時(米国東部夏時間10月20日午後2時)にヒューストンのジョンソン宇宙センターからライブ配信すると発表しました。

この船外活動は、2026年8月6日にNASAのアニル・メノン宇宙飛行士とジェシカ・メイア宇宙飛行士が約6時間半にわたって実施したステーション電力システムのアップグレード準備作業に続くもので、軌道上の実験室であるISSの電力供給能力を強化して今後の科学実験や長期滞在ミッションを安定して支えるための重要な工程となります。

参照元URL:https://www.nasa.gov/news-release/nasa-to-host-news-conference-previewing-us-spacewalks-100-101/

【発射カウントダウン】JAXAのH3ロケット10号機による火星衛星探査機「MMX」が10月20日早朝に打ち上げ

直近に迫った注目のロケット発射カウントダウンとして、JAXA(宇宙航空研究開発機構)は種子島宇宙センターの大型ロケット発射場から、H3ロケット10号機によって火星衛星探査機「MMX(Martian Moons eXploration)」を日本時間2026年10月20日(火)午前4時41分03秒(協定世界時10月19日19時41分03秒)に打ち上げます。

このMMXミッションは、火星の2つの衛星である「フォボス」と「ダイモス」を詳細に観測した上で、フォボスの表面に直接着陸してサンプル(砂や石)を採取し地球へ持ち帰るという世界初の火星圏サンプルリターン計画であり、NASAがガンマ線および中性子分光計などの観測機器を提供し、ESA(欧州宇宙機関)やフランス国立宇宙研究センター(CNES)、ドイツ航空宇宙センター(DLR)も小型ローバーや通信システムで協力する国際プロジェクトとなっています。

また今回の打ち上げ時刻は日の出前の午前4時41分に設定されているため、打ち上げから約5分30秒後には高空へ到達したロケットの燃焼ガスに太陽光が当たって夜空で一等星のように明るく輝き始めたり、高度約80キロメートルの低温大気中で水蒸気が氷となって光を反射する「夜光雲」が西日本から東日本にかけての広い範囲で地上から肉眼や双眼鏡で観測できたりする可能性があります。

参照元URL(JAXA):https://www.jaxa.jp/press/2026/08/20260820-1_j.html
参照元URL(NASA):https://science.nasa.gov/directorates/smd/planetary-science-division/nasa-to-help-unlock-mysteries-of-mars-moons-in-upcoming-mission/
参照元URL(ESA):https://www.esa.int/Science_Exploration/Space_Science/Mars_moon_lander_set_to_launch_on_19_October

JAXAと大学共同研究グループが天の川銀河中心の低エネルギーガンマ線直接撮像に世界で初めて成功

日本の研究チームによる最新の宇宙観測成果として、JAXA宇宙科学研究所や北里大学、京都大学、産業技術総合研究所などの共同研究グループは、オーストラリア中央部から打ち上げた大気球による観測実験「SMILE-2+」のデータ解析により、天の川銀河の中心から届く150〜600キロ電子ボルト(1メガ電子ボルト未満)の低エネルギーガンマ線放射を光学望遠鏡と同じ原理で直接撮像することに世界で初めて成功しました。

「MeV(メガ電子ボルト)ギャップ」と呼ばれ長年未開拓だったこのエネルギー領域のガンマ線は、従来のコンプトンカメラでは飛来方向が円環(輪っか)状に広がってしまい点源をくっきりと写し出せませんでしたが、研究グループがガンマ線によって反跳された電子の軌跡まで捉える独自の撮像技術を用いたことで、天の川銀河の中心部が従来の理論値よりも数倍強くガンマ線で輝いている様子を鮮明な画像として実証しています。

国際科学誌『Nature』のリサーチハイライトでも取り上げられたこの観測手法の確立によって、これまで見えなかったMeV領域のガンマ線で宇宙を直接観察する時代が幕を開けたため、今後は超新星爆発や宇宙線加速のメカニズムだけでなく、宇宙に存在する反物質(陽電子)の起源や暗黒物質(ダークマター)、さらには原始ブラックホールの検証といった現代宇宙物理学の重要課題の解明が大きく前進することになります。

参照元URL:https://www.jaxa.jp/press/2026/10/20261006-1_j.html

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