ISS離脱と独自ステーション建設へ:ロスコスモスが推進するロシア宇宙開発の最新状況

国際宇宙ステーションからの段階的な独立を目指して開発が進む独自の宇宙拠点「ROS」の建設計画をはじめ、ロシアの次世代を担う大型ロケット「アンガラ」の運用体制構築、そして月探査機ルナ25号の教訓を活かして中国とともに目指す月面探査のロードマップに至るまで、現在ロシアが直面している宇宙開発の事実と今後の戦略を詳しく紐解いていきましょう。

目次

新世代のロシア軌道ステーション(ROS)の開発と国際宇宙ステーションからの独立

ロシアの国営宇宙企業ロスコスモスは現在運用中である国際宇宙ステーション(ISS)からの将来的な離脱を見据えており、独自の新たな宇宙拠点となるロシア軌道ステーション(ROS)の建設に向けた開発作業を本格化させています。

そしてこの新しいステーションは極軌道に近い軌道を飛行することで北極海航路を含むロシア全土を広範囲に観測することが可能となっており、宇宙飛行士の被ばくリスクを低減するために常時滞在ではなく定期的に宇宙飛行士が訪問して実験やメンテナンスを行う自動運用を基本として設計されています。

さらに最初のコアモジュールとなる科学・エネルギー棟は2027年末の打ち上げを目指して現在急ピッチで製造が進められており、その後も順次新たなモジュールをドッキングさせて2030年代には完全に独立した宇宙インフラを完成させるという野心的な国家プロジェクトが進行しています。

次世代大型ロケット「アンガラ」の開発進展と新しい宇宙輸送インフラの構築

老朽化したプロトンロケットに代わる次世代の宇宙輸送手段として開発が進められている主力ロケット「アンガラ」シリーズは、軍事衛星の打ち上げから将来の有人宇宙飛行に至るまでロシアの宇宙開発を根本から支える極めて重要なインフラとして運用実績を積み重ねています。

またアンガラロケットは従来のバイコヌール宇宙基地に依存しない完全な自立体制を構築するために極東のボストーチヌイ宇宙基地からの発射に対応しており、大型のアンガラA5や最新の有人飛行向け改良型であるアンガラA5Mの製造が本格的にスタートするなど次世代への世代交代が着実に進んでいます。

くわえてこれらの新型ロケットは前述の新しいロシア軌道ステーション(ROS)の各モジュールを軌道上へ運搬するための専用機としても指定されているため、今後のロシアの宇宙開発が計画通りに進むかどうかはアンガラロケットの安定した量産と連続打ち上げの成功に大きく依存することになります。

月探査機ルナ25号の経験を継ぐルナ26号および中国との月面基地構想への参画

地球低軌道でのインフラ構築と並行して深宇宙探査の分野においてもロシアは月面への復帰を強く目指しており、2023年に月の南極付近で墜落してしまった無人月着陸船ルナ25号の失敗を教訓として次期ミッションである月周回衛星ルナ26号の2027年打ち上げに向けた開発を継続しています。

一方で単独での探査ミッションだけでなく国際協力の枠組みにも積極的に参画しており、アメリカが主導するアルテミス計画に対抗する形で中国国家航天局(CNSA)と共同で進めている国際月面研究ステーション(ILRS)の建設構想においてロシアが持つ独自の宇宙用原子力発電技術などを提供する計画が議論されています。

そしてこれらの野心的なプロジェクトを通じてロスコスモスは独自の有人宇宙活動の維持と月面資源の探査という2つの大きな柱を両立させようと試みており、経済制裁や予算の制約といった厳しい課題に直面しながらも宇宙大国としての確固たる地位を維持するための長期的な戦略を描き続けています。

参照元URL:
https://en.wikipedia.org/wiki/Russian_Orbital_Station
https://www.deagel.com/aerospace%20forces/ros/a004116
https://tadviser.com/index.php/Company:Russian_National_Orbital_Service_Station_(ROSS)

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