欧州の次世代旗艦ロケット「アリアン6」が初の静止トランスファ軌道投入に成功

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欧州の次世代旗艦ロケット「アリアン6」が初の静止トランスファ軌道投入に成功

ヨーロッパの宇宙輸送を担う新世代の大型基幹ロケット「アリアン6(Ariane 6)」が、その実用運用において極めて重要なマイルストーンを達成しました。
ヨーロッパ宇宙機関(ESA)およびアリアンスペース社は、南米フランス領ギアナのクールーにあるギアナ宇宙センターから、アリアン6ロケット(アリアン62構成、飛行番号VA270)を打ち上げました。
ロケットは夜空を切り裂いて轟音とともに上昇し、第1段の「ヴァルカン2.1」メインエンジンと2基の固体ロケットブースター「P120C」が完璧な燃焼を見せました。
さらに、新開発の再着火可能な「ヴィンチ」エンジンを搭載した上段ステージが計画通りの精密な軌道制御を実行し、欧州の最新鋭気象衛星「MTG-I2(Meteosat Third Generation-Imager 2)」を目標の静止トランスファ軌道(GTO)へ正確に分離・投入しました。

今回の打ち上げ成功は、アリアン6にとって実用商業衛星を静止トランスファ軌道へと送り届ける「史上初のGTOミッション」となります。
従来の「アリアン5」の退役からアリアン6の初飛行に至るまで、欧州は独自の重力圏脱出手段を一時的に失う危機に直面していましたが、高高度の静止トランスファ軌道への確実な輸送能力が実証されたことで、欧州の自立的な宇宙アクセス能力の完全復活が世界に示されました。

アリアン6はモジュール設計を採用しており、固体ブースター2基の「アリアン62」と4基の「アリアン64」を用途に応じて使い分けることで、低軌道のコンステレーション構築から高軌道の大型科学衛星まで柔軟に対応可能です。
欧州の宇宙自立を支える大動脈が、本格的な高頻度運用の時代へ突入しました。

次世代気象衛星「MTG-I2」がもたらす極端気象・雷放電の早期警戒革命

今回アリアン6によって宇宙へと送り届けられた「MTG-I2」は、ESAと欧州気象衛星開発機構(EUMETSAT)が共同開発した第3世代メテオサット気象衛星シリーズのイメージャー初号機群に属する最重要衛星です。
質量約3.8トンを誇るこの巨大衛星は、赤道上空約3万6000キロメートルの静止軌道からヨーロッパ全域、アフリカ、大西洋を高頻度かつ前例のない超高解像度で常時監視する任務を担います。

MTG-I2の最大の強みは、搭載された先進観測機器による圧倒的な観測能力にあります。
主観測機器である「可視・赤外フレキシブル・コンバインド・イメージャー(FCI)」は、従来の気象衛星の2倍となる16の波長帯(バンド)を駆使し、わずか10分ごとに地球全体のフルディスク画像を撮影します。
さらにヨーロッパ地域に限定した「高速スキャンモード」では、2.5分間隔という極めて短いスパンで雲の発達過程をリアルタイム追跡することが可能です。

加えて、欧州初となる宇宙からの常時雷観測センサー「ライトニング・イメージャー(LI)」が搭載されています。
4基の光学望遠鏡が雲の間で発生する稲妻放電を昼夜問わず高精度に検出し、豪雨や竜巻、突風を伴う危険なスーパーセル雷雨の発生を事前に察知して即座に地上へ警報を発令します。
地球温暖化に伴い世界各地で激甚化する異常気象や豪雨災害に対し、人命とインフラを守る最前線の宇宙の砦として、MTG-I2の活躍に世界中から大きな期待が寄せられています。

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