火星を20年撮り続けてきた探査機MRO、記念すべき「10万枚目」の画像を撮影

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火星を20年撮り続けてきた探査機MRO、記念すべき「10万枚目」の画像を撮影

NASAの火星探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター(Mars Reconnaissance Orbiter:MRO)」が、火星周回を開始してから約20年を迎え、このたび搭載カメラHiRISEによる10万枚目の火星表面画像を撮影しました。これは火星探査の歴史における大きな節目といえます。

高解像度カメラ「HiRISE」とは

HiRISE(High Resolution Imaging Science Experiment)は、MROに搭載された高解像度観測カメラです。
このカメラは、以下のような多様な火星の地形を詳細に撮影してきました。

  • 隕石衝突によるクレーター
  • 砂丘や風による地形変化
  • 氷の堆積地
  • 探査機や将来の有人探査に向けた着陸候補地

HiRISEがもたらす精密な画像は、火星の地質や環境の理解を深めるだけでなく、将来の人類の火星探査計画に向けた重要な基盤となっています。

NASA 映像

記念すべき10万枚目の画像の内容

今回の記念画像は、2023年10月7日に撮影されました。写っているのは、火星の「シルティス・メジャー(Syrtis Major)」と呼ばれる地域に広がるメサ(平坦な台地)と砂丘です。

この場所は、NASAの火星探査車「パーサヴィアランス(Perseverance)」が調査を行っているジェゼロ・クレーターの南東約80kmに位置しています。

研究者たちは、この画像を使って、

  • 砂がどこから運ばれてきたのか
  • どのようにして地形に閉じ込められ
  • 最終的に砂丘として形成されたのか

といった、風による砂の移動メカニズムを詳しく分析しています。

科学コミュニティと一般公開を重視するHiRISE

HiRISEは、科学データを迅速に公開する姿勢でも知られています。また、観測対象には科学者だけでなく、一般の人々から提案された場所も含まれています。

HiRISEの主任研究員であり、アリゾナ大学(ツーソン)のシェーン・バーン氏は次のように述べています。

「迅速なデータ公開や、科学コミュニティや一般の人々の提案に基づく観測は、HiRISEの大きな特徴です。この10万枚の画像は、火星をより身近で理解しやすい存在にしてきました。」

MROとHiRISEを支える組織体制

MROミッションは、以下の体制で運用されています。

  • ミッション管理
    NASA ジェット推進研究所(JPL、カリフォルニア州南部)
  • 探査機の製造・運用支援
    ロッキード・マーティン(コロラド州デンバー)
  • HiRISEの運用
    アリゾナ大学(ツーソン)
  • HiRISEの製造
    ボール・エアロスペース&テクノロジーズ社(コロラド州ボルダー)

おわりに

約20年にわたり火星を周回し、10万枚もの高精細画像を届けてきたMROとHiRISE。その成果は、火星を「遠い赤い星」から「詳細に調べられる世界」へと変えてきました。今後もこれらの観測データは、火星の謎の解明や将来の人類探査に欠かせない存在であり続けるでしょう。

公式情報はこちらから確認できます。
https://science.nasa.gov/mission/mars-reconnaissance-orbiter

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