Artemis IVで月面南極に設置される2つの科学機器

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Artemis IVで月面南極に設置される2つの科学機器

人類の月・火星探査を支える新たな一歩

NASAは、アルテミスIV(Artemis IV)ミッションにおいて、月の南極地域に宇宙飛行士が設置する2つの科学機器を選定したと発表しました。これらの機器は、月面環境への理解を大きく深め、将来の月探査、さらには火星探査に向けて人類の安全と探査能力を支える重要な役割を果たします。


科学が人類の生命を守る

NASA本部(ワシントンD.C.)の科学ミッション本部 副長官であるニッキー・フォックス氏は、次のように述べています。

「アポロ計画の時代に、私たちは地球から遠く離れれば離れるほど、人間の生命を守り維持するために科学への依存度が高まることを学びました」

月面に設置される今回の2つの科学機器は、「人類が太陽系を生き延びるための指針」を作るための基盤となります。月は、その検証の場(テストベッド)として最適な存在です。


月の最大の厄介者「月の砂塵」に挑む:DUSTER

画像 NASA

月塵が探査の大きな障害になる理由

アポロ17号で月面に降り立った宇宙飛行士ジーン・サーナンは、月の表面を覆う微細な砂塵(土壌レゴリス)が、あらゆるものに付着し、極めて研磨性が高いことを指摘しました。この月塵は、機器の故障や宇宙服の劣化、さらには人体への影響が懸念されています。

DUSTERとは何か

こうした課題に取り組むのが、
DUSTER(DUst and plaSma environmenT survEyoR)
と呼ばれる観測装置です。

DUSTERは以下の特徴を持っています。

  • 小型の自律走行ローバーに搭載
  • 月面の塵(ダスト)とプラズマ環境を総合的に観測
  • 人間の活動(船外活動、着陸船の離着陸など)が環境に与える影響を測定

この装置は、コロラド州ゴールデンに拠点を置く宇宙ロボット企業「Lunar Outpost」が提供するローバー
**MAPP(Mobile Autonomous Prospecting Platform)**に搭載されます。

開発体制と予算

  • 主任研究者:徐旺(コロラド大学ボルダー校)
  • 契約額:約2,480万ドル
  • 開発期間:3年間

DUSTERのデータは、月面での長期滞在や安全対策を考えるうえで、欠かせない情報源となります。


月の中身を探る:SPSS(月極地地震観測ステーション)

月の内部を知る意味

もう1つの機器は、
SPSS(South Pole Seismic Station)
月極地地震観測ステーションです。

SPSSは、月の内部構造や地質活動を理解するために重要な装置で、次のような観測を行います。

  • 隕石衝突の発生頻度を測定
  • 月面で起こる地震活動のリアルタイム監視
  • 月深部の物理的特性の解析

これらの情報は、月探査の安全対策だけでなく、地球や他の惑星の成り立ちを理解する手がかりにもなります。

宇宙飛行士による能動実験も実施

SPSSでは受動的な観測だけでなく、宇宙飛行士が「サンパー(衝撃発生装置)」を使用して人工的に振動を起こす能動地震実験も行われます。これにより、着陸地点周辺の浅い地層構造を詳細に調べることができます。

開発体制と予算

  • 主任研究者:マーク・パニング(NASAジェット推進研究所/JPL)
  • 契約額:約2,500万ドル
  • 開発期間:3年間

Artemis IV科学チームへの統合

NASA科学ミッション本部の副副長官であるジョエル・カーンズ氏は、次のように述べています。

「これら2つの科学プロジェクトは、NASAと国際的な科学コミュニティが戦略的に重要と認識している科学目標を、人間が月で直接達成するものです」

両機器は、Artemis IVでの搭載候補として選定されましたが、最終的な搭載可否は今後決定される予定です。


アルテミス計画が目指すもの

アルテミス計画を通じてNASAは、

  • 月での本格的な科学探査
  • 人間とロボットの協働探査
  • 月を拠点とした将来の火星有人飛行への準備

を進めています。

月は単なる目的地ではなく、人類が太陽系へ進出するための土台です。今回選ばれた2つの科学機器は、その未来を支える重要な鍵となるでしょう。


関連リンク

アルテミス計画の詳細はこちら
https://www.nasa.gov/humans-in-space/artemis

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