火星の地下に眠る氷を探る「SkyFall」ヘリコプターの革新的な布製アンテナ

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火星の地下に眠る氷を探る「SkyFall」ヘリコプターの革新的な布製アンテナ

人類が火星へ降り立つ日を見据え、NASAは次なる画期的なミッション「SkyFall(スカイフォール)」の準備を本格化させています。
このプロジェクトでは、3機の最新鋭ヘリコプターが火星の空を舞い、将来の宇宙飛行士にとって死活問題となる「水」の探索を担います。
火星の地下数メートルというごく浅い部分に眠る氷は、飲料水や酸素、さらにはロケット燃料を生成するための貴重な資源となります。
しかし、軌道上の探査機からは地表付近の詳細なデータを取得することが難しいため、ヘリコプターによる低空飛行での地中レーダー探査が最も有効な手段とされているのです。

ここで最大の技術的課題となったのが、レーダーの電波を送受信するためのアンテナです。
探査に必要な周波数帯をカバーする従来の金属製アンテナは長さが約48センチメートルにもなり、ヘリコプターの機体底部と火星の地表とのわずかな隙間には到底収まりません。
そこで技術陣が考案したのが、バイオリンのような優美な曲線を持つ「ビバルディ・アンテナ」を基にした、非常に薄くて柔軟な「布製」の構造でした。
過去の火星探査車で着陸時のエアバッグとして使われた強靭な素材「ベクトラン」などを重ね合わせて作られたこのアンテナは、重量がわずか約150グラムしかありません。
着陸時に岩などにぶつかっても柔らかく曲がって衝撃を逃し、離陸時にはグラスファイバー製のバネの力で元の形状にピンと戻るという、驚くべき特性を持っています。

先日、この画期的なアンテナの過酷な環境試験が実施され、素晴らしい成果を上げました。
火星の昼夜の激しい温度差や、200回以上の着陸を想定した度重なる折り曲げテストをクリアしたのです。
これは、ミッションで想定される負荷の2倍以上にあたり、電波の送受信性能にも全く劣化は見られませんでした。
かつて火星の空を飛び回り、人類に航空探査の可能性を示したヘリコプター「インジェニュイティ」の偉大な功績を引き継ぐSkyFallは、2028年後半の打ち上げが予定されています。
この軽量でタフな布製アンテナが、人類の火星開拓に向けた見えない地下のオアシスを見つけ出す日も、そう遠くはないでしょう。

NASA Jet Propulsion Laboratory

ORION FIELD
・宇宙科学系ライター ・スペーステックライター
宇宙情報を発信しているオリオンフィールドです。
このブログはNASAの公開データをベースに宇宙の情報を発信しています。
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