【ハッブル宇宙望遠鏡】ベテルギウスに隠された伴星の正体が明らかに

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【ハッブル宇宙望遠鏡】ベテルギウスに隠された伴星の正体が明らかに

NASAのハッブル宇宙望遠鏡と地上望遠鏡による最新観測を用いて
天文学者たちはベテルギウスの周囲のガスに及ぼす新たに発見された伴星シワルハの影響を追跡した
この研究はハーバード スミソニアン天体物理学センターの研究チームによるもので
ベテルギウスの広大で拡張された大気の中を渦巻く高密度ガスの痕跡を明らかにしている

この発見により
なぜこの巨大星の明るさや大気が長年にわたって奇妙で予測困難な変化を示してきたのか
その理由が初めて具体的に説明できるようになった

学会で発表された最新研究成果

この研究成果は
米国天文学会第247回会合が開催されたフェニックスでの記者会見において発表された
論文は天体物理学ジャーナルへの掲載が受理されている

研究チームは
約8年にわたりベテルギウスの光の変化を詳細に追跡することで
これまで未確認だった伴星の存在と
それが恒星の外層大気をかき乱している証拠を突き止めた

この成果は
ベテルギウスに関する最大級の謎の一つを解決するものであり
巨大星がどのように振る舞い
どのように進化していくのかを理解するための重要な手がかりとなっている

ベテルギウスという特別な恒星

ベテルギウスは
地球から約650光年離れたオリオン座に位置する赤色超巨星である
その大きさは圧倒的で
太陽を4億個以上詰め込めるほどの体積を持つ

この巨大さと比較的近い距離のおかげで
ベテルギウスは表面や周囲の大気を直接観測できる数少ない恒星の一つとなっている
そのため
巨大星が老化し
質量を失い
最終的に超新星爆発に至るまでの過程を調べる上で
極めて重要な観測対象とされてきた

伴星シワルハが作り出すガスの航跡

今回の研究では
シワルハと名付けられた伴星が
ベテルギウスの外側の大気の中を通過しながら
高密度のガスの航跡を作り出していることが確認された

この伴星は
私たちの視点から見ると時計回りに公転しており
ベテルギウスの大気をかき分けるように移動している
伴星そのものは非常に小さく
ベテルギウスと比べると点のような存在だが
距離関係は恒星の直径に対して正確に描かれている

この航跡は
伴星が約6年ごと
つまり約2100日ごとに
ベテルギウスの前面を横切った直後に現れることが分かっており
理論モデルと一致する結果となった

光とガスの変化から見えた証拠

研究チームは
ハッブル宇宙望遠鏡に加え
フレッド ローレンス ウィップル天文台や
ロケ デ ロス ムチャーチョス天文台の地上望遠鏡を使用した

その結果
ベテルギウスの光の色の変化
つまりスペクトルの変動や
外層大気中のガスの速度や流れの向きに
明確なパターンがあることが確認された

これらの変化は
伴星が作り出す高密度ガスの航跡によるものであり
長年予測されてきた現象が
初めて観測データによって裏付けられた

長年の謎だった明るさの変動

Image: AI Generated

ベテルギウスは
何十年にもわたり明るさや表面構造の変化が観測されてきた
特に注目を集めたのは
2020年に起きた急激な減光現象で
まるで恒星がくしゃみをしたかのようだと表現された

この恒星には
約400日周期の短い変動と
約2100日の長い周期の変動が存在する
前者は恒星内部の脈動によるものと考えられているが
後者については
対流
塵の雲
磁気活動
そして伴星の存在など
さまざまな仮説が検討されてきた

今回の研究により
長周期変動は
ベテルギウスの大気深くを回る低質量の伴星によって
最もよく説明できることが
決定的な証拠とともに示された

直接証拠がもたらす新たな理解

これまで
ベテルギウスに伴星が存在するという考えは
有力視されつつも証明されていなかった
今回初めて
その伴星が恒星の大気を乱している直接的な証拠が得られた

研究代表者のアンドレア デュプリーは
伴星の動きは水中を進む船のようで
その航跡が大気中に波紋として残ると説明している
観測データから
その航跡を実際に確認できたことは
非常に大きな成果だとしている

今後の観測と期待

現在
ベテルギウスは私たちの視点から
伴星を覆い隠す位置関係にある
天文学者たちは
2027年に伴星が再び姿を現すタイミングに向けて
新たな観測計画を進めている

この成果は
ベテルギウスだけでなく
他の巨大星や超巨星に見られる
同様の謎を解く手がかりにもなると期待されている

ハッブル宇宙望遠鏡の役割

ハッブル宇宙望遠鏡は
30年以上にわたり運用され
宇宙に対する理解を大きく変える発見を続けてきた
この望遠鏡は
NASAと欧州宇宙機関による国際協力プロジェクトである

ミッション運用は
メリーランド州のゴダード宇宙飛行センターが管理し
ロッキード マーティンも支援を行っている
また
科学運用は
ボルチモアにある宇宙望遠鏡科学研究所が担当している

まとめ

今回の研究によって
ベテルギウスの長年の謎だった明るさと大気の変動は
伴星シワルハによって生じるガスの航跡が原因であることが明確になった
巨大星の進化を間近で観測できるこの発見は
超新星に至るまでの恒星の一生を理解する上で
大きな一歩となっている

ORION FIELD
・宇宙科学系ライター ・スペーステックライター
NASAの公開データや論文をベースに、ロケットの構造や惑星の挙動を技術的な視点で考察するブログです。

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