ジェームズ ウェッブ宇宙望遠鏡が発見した 分類不能な銀河たち

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ジェームズ ウェッブ宇宙望遠鏡が発見した 分類不能な銀河たち

NASAのジェームズ ウェッブ宇宙望遠鏡が取得した広範な系外銀河観測データを詳細に調査した結果
ミズーリ大学の少人数の天文学研究チームが
これまでに例のない特徴を併せ持つ銀河のサンプルを発見したと発表しました

研究代表者のヤン ハオジンは
この発見を生物学における分類不能な存在
カモノハシになぞらえています

カモノハシのような銀河とは何か

ヤンは次のように説明しています

私たちは分類できない銀河の集団を見つけたようです
あまりにも奇妙なのです
一方では非常に小さくコンパクトで
点光源のように見えます
しかし多くの遠方の点光源に見られる
クエーサー
つまり活動的な超巨大ブラックホールの特徴が見られません

この研究成果は
アメリカ天文学会第247回会合の記者会見で
アリゾナ州フェニックスにて発表されました

CEERSで発見された銀河群

今回特定された
いわゆるプラティパス銀河サンプル9個のうち
4個は
ジェームズ ウェッブ宇宙望遠鏡の
Cosmic Evolution Early Release Science Survey
通称CEERSで発見されました

これらの銀河の最大の特徴の一つは
ウェッブほどの高解像度を持つ望遠鏡で見ても
点のように見えることです

ヤンはこの特徴について次のように語っています

これらの性質を見たとき
カモノハシを見ているようだと感じました
一緒に存在するはずのない特徴が
確かにそこにあるのです

Image: AI Generated

2000個から9個へ 絞り込まれた異端の存在

研究チームは
複数のウェッブ観測データを横断して
約2000個の天体を調査しました

その中から
宇宙誕生から約12億年から12億6000万年後
現在の宇宙年齢138億年と比べて
非常に初期の時代に存在していた
9個の点状天体を特定しました

画像だけでなく
スペクトルデータも分析した結果
既存の分類には当てはまらないことが分かりました

これらは
私たちの銀河系内の恒星にしては遠すぎ
クエーサーにしては暗すぎます

2009年に発見された
グリーンピーモンスター銀河と
スペクトルは似ていますが
今回のサンプルは
はるかにコンパクトです

スペクトルが示す 予想外の性質

ヤンは
カモノハシの遺伝情報が
鳥類 爬虫類 哺乳類の特徴を併せ持つように
これらの銀河も
予想外の特徴を示していると述べています

通常のクエーサーでは
スペクトル中の輝線ピークは
裾野の広い山のような形になります
これは
超巨大ブラックホールの周囲を
高速で回転するガスを示しています

しかし
プラティパス銀河では
ピークが非常に細く鋭い形をしており
ガスの運動が比較的遅いことを示しています

狭線銀河と呼ばれる
活動的ブラックホールを持つ銀河も存在しますが
それらは
今回のように点状には見えません

Image: AI Generated

失われた進化の環は存在するのか

研究チームは
これらが宇宙進化の中で
欠けていた段階を示している可能性を考えています

クエーサーではないと判断した後
大学院生研究者のスン バンジョンが
星形成銀河である可能性を調べました

低解像度スペクトルの範囲では
星形成銀河である可能性を否定できません
データはそれにも合致します
ただし奇妙なのは
ウェッブなら詳細が見えるはずの距離にもかかわらず
あまりにも小さくコンパクトなことです

銀河形成の最初の一歩への問い

研究チームは
ジェームズ ウェッブ宇宙望遠鏡が
これまで見たことのない
銀河形成の初期段階を捉えている可能性を示唆しています

天文学界では
天の川銀河のような巨大銀河は
小さな銀河が合体を繰り返して成長した
という考えが広く受け入れられています

しかしヤンは問いかけます

小さな銀河の前には
何が存在するのでしょうか
混沌とした合体が始まる前に
静かな形で
このような点状のビルディングブロック銀河が
形成されるのでしょうか

今後の研究とウェッブの可能性

これらの疑問に答えるためには
9個というサンプル数では不十分です

研究チームは
より多くの対象と
より高解像度のスペクトル観測が必要だと述べています

広い視野で探した結果
驚くべき存在がいくつか見つかりました
これらの9個は
広範な観測の背景に
偶然写り込んでいただけなのです

今後は
その意味と影響を考え
ウェッブの能力を最大限に活用して
さらなる理解を目指していくとしています

まとめ

ジェームズ ウェッブ宇宙望遠鏡の観測によって
従来の分類に当てはまらない
極めて小さく奇妙な銀河群が発見されました

それらは
クエーサーでも恒星でもなく
星形成銀河の可能性を秘めながら
点状に見えるという矛盾した特徴を持っています

この発見は
銀河形成の最初の段階を理解するための
新たな問いを私たちに投げかけています

今後の観測によって
宇宙誕生直後の銀河の姿が
さらに明らかになっていくことが期待されています

ORION FIELD
・宇宙科学系ライター ・スペーステックライター
NASAの公開データや論文をベースに、ロケットの構造や惑星の挙動を技術的な視点で考察するブログです。

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